Ome navi
Aoume
  • 更新日 2011年10月20日
  • こひきヘビ

    むかし、吹上峠(フキアゲトウゲ)付近には、ヘビがたくさんいた。

    ある人が山仕事で吹上峠の近くへ行ったときのことである。

    シュル、シュル・・・・・、風もないのに草がゆれて、気味の悪い音がする。  ふと、前方の山道を見ると、何十匹ものヘビが集まっていた。

    ヘビたちは、ぬらりぬらりと互いに重なりあい、くねりあい、赤い舌をちろちろ出しては動きまわっていた。

    まわりの草むらからは、さらにつぎつぎとヘビが出てきて、仲間に加わり、畳六畳もの広さの中は、ヘビでいっぱいになっていた。

    さすがに、ヘビを見慣れた男も、ぞわぞわと鳥肌(トリハダ)がたってきた。