Ome navi
Aoume
  • 更新日 2011年10月20日
  • 百いらずひゃくいらず

    ヒュー、ヒュルルル・・・・。

    眉毛(マツゲ)まで凍りつきそうな風が、高水山の方から吹きおろしてくる。

    仕事帰りやお使い帰りの男も女も、衿(エリ)をかき合わせ、足早に通りぬけて行く。

    柚木三丁目の都バス停留所付近の吉野街道である。  ここは、むかしから「百いらず」といわれている。

    高水颪(オロシ)がまっ向から吹きつけ、ここへ来たとたんに身ぶるいが出る。

      ここを通る人は、道に百文(ヒャクモン)落ちていても、拾わずに大急ぎで通りぬけたそうである。