むかし、山仕事を終えた男が、山道を帰ってきた。 すると、とつぜん美しい娘があらわれた。
「もし、わたしの家は、すぐそこなんですが、お疲れでしょう、ちょっと寄っていきませんか。 ちょうどうどんを打ったところです。
娘は、そういってにっこり。 男は、娘があんまりかわいらしく、うどんも大好物だったので、すこし寄ってみることにした。
娘の家は、妙にそまつな家だったが、うどんはとてもうまくて、男は腹いっぱいごちそうになった。
ところが、家へ帰ったとたん、気持ちが悪くなって吐いてしまった。 なんと、うどんと思って食べたのは、ミミズだったそうである。